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2019_1202
視点を拡げ,次へ繋げるオープンハウス

2019年10月末、出逢いから竣工まで長きにわたり時間がかかった(かけられた、とも言えます)住宅のオープンハウスを施主さんのご厚意で設けさせて頂いた。

事前告知は市内近辺の馴染みのお店にフライヤ配布と、FacebookやInstagramのみ。直前まで人数がそれほど集まらなかったので、贅沢にお昼寝させてもらおう…と思っていたら最終的にはそんな時間は全くなく…(笑)

来て頂いたみなさんには改めて感謝したい。

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オープンハウスの狙い

狙いは2つ。

1つは未来のお施主さんと出会うこと。独立してから、知人や親戚の紹介だけでなんとか仕事が続き、徐々に知らない方からの依頼が増えてきた。その方々は、私たちが過去に設計した空間や写真を見て依頼してくださるため、打ち合わせの中でこちらの意図をすんなり受け入れてくれる方々が多い。であるため、私たちにとっての理想的な出会い(仕事の入口)は「実際の空間を体感」してもらうことにある。

2つ目は一緒に協働している工務店さんと納まりや仕上げについての意見交換をすることや、建築家仲間からの批評をもらうことにある。

仕事で生計をたてるうえでは前者がもちろん大事であるが、オープンハウスの回を重ねるごとに後者の重要性にも気づき、むしろ後者の人たちとの交流を楽しんでいる。

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次へ進むために

その建築に対して、お褒めの言葉を頂いたりここはこうしたほうが良かったんじゃないか、などのご意見をいただく。こうやって、社会に開かれ多くのの視点でこの建築が見つめられることで気づけなかったこと、ハっとすることもあり、次へ進む原動力となる。

また、長い期間の中で図面にひたすら向き合い設計図書を完成させ、足しげく現場に通い、施工者と施主さんとの密なコミュニケーションを経て建物が竣工していく。今の私たちの知識と経験と予測をフル稼働させながら、1つ1つ丁寧に完成させていくことにしか次の建築への1歩はありえない。

時間をかけて作り上げた建築をお施主さんへと巣立たさせ、次へ繋げていくためのひとつの恒例行事として、オープンハウスは続けていきたいと考えている。

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